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今日の食い意地inにいがた

今日の食い意地inにいがた

2007年4&6月

<2007年4~6月に読んだ本>


風に舞いあがるビニールシート
■著者:森絵都  ■文藝春秋  ■2006/5発行

 今年読んだ本・小説部門のTOP1に輝くかも。
 ひと言、「うまいなぁ」って。
 大きな問題を小さな日常に取り込んでいくのがうまい。
 そんで、小さな問題のホントの大きさをさりげなく訴求するのがうまい。
 そして、なんだか人を見る目があたたかい。
 故にドキリとするような辛辣な人物像描写もスッと受け入れられる。
 
 6話が収まった短編集。私が印象的だったのは、
 「犬の散歩」と表題作の「風に舞いあがるビニールシート」。  




美しくなるにつれて若くなる
■著者:白洲正子  ■角川春樹事務所  ■1998/9発行

 小さな紙切れに「白洲正子」ってメモってあったんですよ。
 自分でメモったはずなんだけど、どうしてメモったのかわからない。
 この方のこと、まったく知らなかったので、
 誰かに教えてもらったってことだけは確実なんだけど。
 で、ネットで検索してこの本を発見。タイトルにひかれて読んでみました。

 この本、いいですよ。読んでると背筋伸びます。

   自分の周囲というものは考えてみればほんとうに小さなものです。
   私達はごく少数の人々しか知らず、小さな日本の国のごく限られた場所に生活しています。
   しかし私達は、それだけを目あてに暮らしているのではありません。
   世界中が相手なのです。そう思ったら、少しばかり不愉快なできごとも、
   僅かな他人の思わくも、取るにも足らぬ些細なことに思われるでしょう。
   そんなことに構っていられるほど私達はひま人ではない筈です。
   始まりもしない人々を相手にしていたのでは、
   いつまでたっても自分の生活をするわけにはゆかないでしょうに。

   世阿弥の言葉のように、人の命には終わりがあるでしょうが、
   文化には始めも終わりもありません。
   更に、もし自分がその大きな文化の中にとけこんでしまうなら、
   個人の命にしても“始”も“終”もなくなるわけです。
   目に見える文化とか、手にとれる進歩とかいうものは、
   ほんとに私達の周囲のごく小さな一分子にすぎません。
   それでは、地球が宇宙と考えるのと同じようなものです。

   私のいうことはおそらく当座の間には合わないかも知れません。
   けれども、-どうせ私達の目に触れる身の回りの出来事は、小さなものにすぎない。
   その小さなものに気をとられて一生を送るよりも、手に負えぬ大きな存在を認識して頂きたい。
   それと同時に、周囲のものに気をとられて、あれやこれやと迷うよりも、
   それらのものよりもってはるかに小さな自分一人の人間をつくることに専心した方がいいと思うからです。

   そんなことは解かっている、という方があったら、私はうれしいと思います。
   けれど、解からなくともいいのです。
   解からないと思うこと、-それが大切な何かなのです。
   「解からないこと」が解かったでありましょうから。

 かなり長く抜書きしてしまいました。自分のために。
 もひとつ、タイトルの由来と思われるフレーズ。

   美しいものは若いのです。美しいものはつねにあたらしいのです。
   美しいものに触れて驚く、その精神は新鮮です。
   それは時間を超越した、年齢の格差すら存在しない、まったく別の世界をかたちづくります。


愛する言葉
■著者:岡本太郎・岡本敏子  ■イースト・プレス  ■2006/6発行

 オリジナルラブ(要は田島貴男)の最新CD東京飛行に入ってる
「明日の神話」という曲にヒジョーに感じ入って、太郎と敏子の言葉を聞きたいと思ったんですよね。
 とゆーことで、読んでみました。

 敏子の甥である空間メディアプロデューサー・平野暁臣監修。
 太郎および敏子が登場したさまざまな文献&番組から愛に関する言葉をチョイスし、
 つらぬく、はぐくむ、ひきあう、かさなる、ぶつかるという5つテーマにカテゴリー分けした本。

 とにかく敏子さん、スゴ過ぎ&強過ぎです。

 いくつか、グッと来た言葉を。

    やれることだけを一生懸命やるの。
    「私はやれるだけのことをやっている」って思ったら、
    そんなにヒステリックになることもないと思うわ。

 おっしゃるとーりです(汗)。恋愛だけでなくすべてにおいて。
 最近、仕事関係者とケンカばかりしている(最近ではなく昔も今も?)私にとって、
 とてもとても耳が痛い言葉。


    女にとって、組織や役割なんて、
    いつでも脱ぎ捨てられるガウンのようなもの。
    ときにまとっていてもいいけれど、
    そんなにしがみつくほどの価値とは思えない、
    男もそういうものはもう少し気軽に考えて、
    中身の方をのびのびとふくらませてほしい。

 共感する言葉だなぁと。
 エライ人にもぞんざいな口きく言い訳じゃないっすよ。


    みんな自分が大事で、痛いのは嫌。
    それでは生きている、という実感は掴めない。

 ・・・最近の自分自身への戒めとして。



 そんで、最後に。

    あんなに素敵な人がいたんだぞってことを
    もっともっとみんなに教えてあげたい。
    太郎さんのような人が
    本当に日本に生きていたってことは奇跡よ。

 ああ、敏子ってなんて幸せな人だったんだろーか。



恋空(上) 恋空(下)
■著者:美嘉  ■スターツ出版  ■2006/10発行

 ・・・いいんじゃないでしょうか。若い人たちが「こーゆーのが好き」とゆーのであれば。
 小説とは名乗って欲しくないけれど。
 実話に基づいているということなので、
 「これはドキュメントなのだ」と思って読むとそれなりに納得できます(私は)。
 激しく飛ばし読みしちゃいましたけど、最後の方では思わず涙してしまいました。
 あくまでも小説としてのすばらしさにではなく、
 実際にあった(とされている)
 美嘉さんの切なくって、ある意味「幸せだなぁ」と思える恋に。



頭がよくなる立体思考法
■著者:香山リカ  ■ミシマ社/WAVE出版  ■2007/02発行

 現実や経験(R:real)、知識や情報(I:intelligence,information,imagination)、夢や理想・思いやり(F:feeling)
 の3つの軸で、立体的にモノゴトを考えようよ。という本です。

 モノゴトを多面的に見る、視野を広く持つ。
 そーゆーことが大事なんだと分かっちゃいるけど、
 実際、上手にバランスとって何らかの策を導き出すのって、けっこう難しい。
 で、この本の出番です。

 事例を使って、ものすごーく具体的に書いてあるので分かりやすいです。
 ・・・今年読んだ本の中で1番役立つ本かも知れん。

 ただ、
 「そう思う人もいるかも知れないが、それは○○と言えるのかも知れない」とか、
 「そういうことがあると言えないこともない」みたいな、
 責任逃れとゆーか、慎重とゆーか、断定を避けるとゆーか、
 そのよーな表現がものすごーく多いのが気になりました。

 これが香山リカさんの文章のクセなのか。それとも、この本だけの傾向なのか。
 ・・・「はっきりとは主張しない⇒波風たてない」みたいな思考が身についてるのかなー。

 あと、この本出した ミシマ社という出版社の存在も気になります。
 去年(2006年)に設立された若い会社。
 キャッチフレーズは「自由が丘のほがらかな出版社」のようです(笑)。
 マークも素朴でなんだかカワイイんですよー。応援したくなっちゃいました。



タイヨウのうた
■著者:天川彩:著/坂東賢治:原案  ■SDP/ソニー・マガジンズ  ■2006/05発行

 「タイヨウのうた」という映画やドラマをやっていたことは知っていたのですが、
 映画とドラマと立て続けに公開&放映する手法といい、その煽り方といい、
 なんつーか、あらかじめ約束されたブーム的と言うか、
 いっつもこのような手法を使っているのに、みなさま方はなぜ踊るのかとか、
 とにかくもう、商売っけアリアリな感じだし、ぜんぜん興味なかったわけです。

 でも、本の方は自然派&スピリット派のイベントを数多く手掛ける
 オフィスTENの天川彩さんが書かれているということで、
 映画やドラマの派手な打ち上げ方と天川彩という人のイメージ(私が勝手に持っているイメージ)が、
 私の中でうまくリンクせず、納得できず、とりあえず読んでみようと図書館に予約。
 忘れた頃に手元にまいりました。

 なんか、YOSHIの本に似てます。あらすじっぽいのね。
 で、一文が短くて、文章にリズムもない。
 だから、ものすごーく短時間で読める(読みやすい)とも言えるのだけど。
 正直「このレベルの文章力でもいいのか・・・」などと、別な意味で感慨深かったです。

 でもね、そーゆーことを全部とっぱらっちゃって、いい小説なんですよ、これがまた。
 読んでて、ちゃんと切なくなります。
 なんかねー、初めて男の子と付き合ったときのこととかさー、
 いろんな初めてにドキドキしてたこととかさー、
 そーゆー感覚がよみがえって、切なくなる。

 読み終えたあと、
「ああ、もっと私、丁寧に生きなくちゃな」とか思っちゃいました。

 ・・・しかし、関連本の多さにはビックリですよ・・・。
 同じタイトルで同じ内容で、違う人が書いた本(映画ノベライズ)も出ちゃってるし。
 それ見ると、やっぱ好きになれんわ、とか思うけれど。



陰陽師(おんみょうじ)鉄輪 陰陽師(おんみょうじ)首
■著者:夢枕獏=文/村上豊=絵  ■文藝春秋  ■2003/10首・2005/06鉄輪

 陰陽師の絵物語版。京都に行くということで、読んでみようかなぁと。
 陰陽師は漫画版・文庫版ともに読んだことがあったのですが、絵物語版ははじめてでした。
 なんかお話自体はおどろおどろしいんですけど、
 村上豊さんの絵がなんともいい味出してて、鬼とか妖怪とかが愛しいものに感じたりさえする。
 男に捨てられて生成(なまなり:鬼の手前)になっちゃった徳子の最期には泣いた。
 何と言うか、人として生きることの悲しさとか美しさとか滑稽さとか愚かさとか、
 そんなものが凝縮されてる物語だよなぁと。
 このシリーズ、読破してみたいと思います。




陰日向に咲く
■著者:劇団ひとり  ■幻冬舎  ■2006/01発行

 図書館で予約したのって半年くらい前だと思う、たぶん。
 やっと順番がまわってきたー(←私は世の中で話題になった本・売れた本については買わずに借りる主義です)
 
 正直、読む前は「どうなんだろう?」と思っていたのだけれど、
 本当に面白かったです。上手に書いてあるなー。
 「オレオレ詐欺」の話はある程度の展開はヨメたのに、思わず泣いてしまった。
 なんか、悲しかったり切なかったりやりきれなかったりするお話ばかりなのに、
 最後にそこはかとなく希望の匂いとか明るい気持ちとか、そんなものを感じるのはなぜなんだろう?
 最後のお話で、「陰日向に咲く」というタイトルに合点がいきました。
 良いタイトルだよなぁ・・・。



人は生まれ変わる ~体外離脱が教えてくれた本当の生き方~
■著者:船井幸雄  ■ダイヤモンド社  ■2005/05発行

 幸せオーラと同じく、図書館で目に付いたので読んでみた本。
 船井幸雄さんの本を読むのは久しぶりです。
 一時、私の周辺で船井幸雄ブームが起こって、そんときけっこう数読んだんですけどね。
 そういやイベントにも2回ほど行ったことあったなー。
 ・・・というような懐かしい気持ちで読ませていただきました。

 内容的には、船井版生きがいの創造by飯田史彦という印象を持ちました。
 生きがいの創造の初版が出たのが1999年。確かこの本ってベストセラーになったと思うのだけど、
 2005年になって、船井さんが“生まれ変わり”の本出すなんて「なぜ?」って感じ。
 まぁ、言いたいことがおありになるということなのだろうけれど。

 あと、船井さんの本は、
  それについては、『○○○(←ご自身の過去の著書)』で詳しく説明しています。
  よければご一読ください。
 というフレーズが多いんですよね。
 まぁ、お勉強しなさいってことなんだろうけれど・・・。

 本の中に、誰でも簡単に幽体離脱体験ができるヘミシンクというものが出てくるのだけれど、
 どんなものなのか詳細を知りたくてネット検索してみたら、ものすごーくたくさんのショップがヒットした。
 ・・・大金かけて、海外に行って体験するものかと思ったら、
 意外にお手軽なものだったんですね・・・。
 ・・・でも、すごーいあやしそうな感じのお店もいっぱいあるんだよなぁ・・・。
 なので、調査は断念いたしました。














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